どうもこんにちは。
知識の海の漂流者、斎藤です。
先日、関東地方を春の嵐が襲いましたが、皆さんは影響受けませんでしたか?
私は職住接近のありがたさで、雨が上がってから、徒歩の出勤で、オフィスに悠々到着。
ただ、途中で越えた川は増水しており、
普段は3段見えている河川敷の、一番下の段は水面下。
灌木が水に浸かっていました。
被害にあった方に、お見舞いを申し上げます。
さて、冬季オリンピック・パラリンピックの前半が終わり、
まもなく後半が始まりますね。
後半も、前半と同じくらいの報道の盛り上がりを期待します。
そのオリンピックに関し、今日は、私の漂流記をお届けしたいと思います。
(誰に頼まれたわけでもないのに)
羽生が勝ったその日に羽生が負けた、
というニュースが流れたころのことです。
TVの「ニュース」番組が、
8割方、こういう情報(特に勝ったほうの羽生さんの)で埋まってしまうので、
退屈していた私の思考は目の前で流れるニュースから離れて、漂流を始めてしまうのです。
今まで知っていたこと、
Web検索で仕入れた追加知識、そういったものが頭の中で、
グニャグニャと触手を伸ばして、つながっていく。
「『はにゅう』と『はぶ』のどっちが多いの?」
とか、
ネット上でもそれなりに騒がれてますが。
自分もそういう読み方の違いに
興味がないわけではないのですが、それよりも、
その苗字の成り立ちの方に興味が向いてしまう。
「羽生」さんは、元は「埴生」「土生」と通じる、土に関わる
土器づくり、あるいは農耕などを実施したり、取り仕切ったりした人々に由来する姓らしい。
ということは、スポーツの世界でいえば、
レスリングの土生(どしょう)選手も、同じ系譜?
(「埴生」も「はにゅう」と読む。
(『埴生の宿』は、
『ビルマの竪琴』の「歌う小隊」がよく歌っていた曲。
(『ビルマの竪琴』は、私の世代には、
中井貴一さんの水島に「一緒に日本に帰ろう」
と呼びかけるシーンが、しみついているわけだが)))
(「埴」の字は、「埴輪」でもわかるとおり、土器に通じる。
「土」の字は、「は」と読むこともあり
「土師(はじ)」という職業氏族の名前にも残っている。
「土師器」という土器の一形態にも名を残している。)
(「はにゅう・はぶ」の線での漂流は、いったん、ここで止まる)
「はにゅう」から一文字削った「にう」、丹生なら、
「丹」すなわち水銀の産地。
(この辺は、夢枕獏+岡野玲子の『陰陽師』きっかけの知識)
水銀は、金との合金を作るので、
金属に金メッキを施すために、使われることがある。
奈良の大仏の金メッキも、水銀を使ったので、
建立に当たっては、水銀中毒被害も多く出たそうだ。
(歴史知識)
現代でも、砂金のとれるアマゾン川流域などで、
簡単な金の抽出方法として水銀を利用しており、
周辺住民や流域の汚染被害が続いている。
(時事、現代、環境問題)
水銀といえば、金とも合金を作れるこの特殊性から、
錬金術でも特別な位置に置かれたし、
古来、「くすり」としても使われていたことがある。
実際、水銀を表す「丹」の字は、不老不死の仙薬とされる万金丹の名にも含まれているし、
みんな大好き「仁丹」も、その命名の流れを汲んでいるね。
(錬金術、その他もろもろ雑学)
ファンタジー世界でも、
金属を溶かす金属、液体が出てきて
(汚い虫が流す涙だったが、水銀のことなのかな、と思った)
銀細工を作る生き物が出てきたりしたなぁ。
湖と街の名前がアマルガンドだった。
(『果てしない物語』←『ネバーエンディングストーリー』の原作)
アマルガンドは、当然、アマルガムから
ミヒャエル・エンデが作った語だろう。
水銀とほかの金属の合金は、アマルガム。
架空の金属の名を冠した「ミスリル」の対抗組織が、
「アマルガム」を名乗る、というストーリーもあったっけ。
(『フルメタルパニック』)
で、
ニュースの映像を見ながら、
現実とはまた違うところに着地してしまう。
人口の大部分が苗字を持っていなかった時代を経て、
現代につながる「全員が苗字を名乗る」制度になるに際して、
苗字と家族の歴史とは、
かかわりが薄い人も多いのだろうから、
スケートの羽生選手と、将棋の羽生永世七冠、
レスリングの土生選手のルーツが同じわけもないだろうな、
(という記事を書いていたら、
レスリング周りで醜聞が聞こえてきましたが、そこには踏み込まない
(それにしても文春から春分近くに醜聞って・・・))
サンフランシスコで先端技術カンファレンスに参加しているエンジニアもいれば、
こんな脳内散歩をしている社員もいる、ということで。
おあとはよろしくないかもしれないけどこの辺で。