IT業界ではAWSやGCP、OpenStackなどなど、サーバやネットワークの仮想化が進んで久しいですが、それよりもちょっと前から、音楽制作業界で仮想化が進んでいました。
今日は、その辺の話を書いてみます。
昨今の音楽制作は、パソコン上で動くDAW(Digital Audio Workstation)と言われるアプリケーションを使って、レコーディングからミキシングまでを行うようになってます。
DAW(これはCubaseというアプリの画面) |
DAWが出始めたころは、音声波形を編集して繋ぐぐらいしかできなかったのですが、CPUの処理能力向上などが始まったころから、エフェクタやシンセサイザをPC上でエミュレート(仮想化)しようという動きが始まりました。
その筆頭が、上の写真にあるCubaseを開発しているSteinberg社で、VST(Virtual Studio Technology)プラグインという標準規格を決めて、エフェクタやシンセサイザを開発していました。
当時はまだPentium 4が出るか出ないかという時期で、VSTプラグインもおもちゃのようなものだったのですが、今ではVSTプラグインは音楽制作になくてはならないものになっています。
特にここ10年ぐらいでVSTプラグインの完成度が上がってきて、一部のケースを除けばハードのエフェクタやシンセサイザを使わなくても完パケまで持っていけるようになっています。
Spire(VSTプラグイン) |
昔なら、ハードシンセに何十万もかけないとできなかったことが、かなりお手軽にできるようになっています。(この辺は、IT業界の仮想化の流れと似たところがあります)
実際、こんな感じで立ち上げています |
MIDIキーボードとASIO対応のオーディオインタフェースがあれば、パソコンだけで完パケまで持っていけます。
中田ヤスタカ氏も、Cubaseだけでマスタリングまでやってしまっているらしい...
ほんと、いい時代になりました :-)
あとはセンスだけです....orz
昔はレコーディングスタジオを借りたり、高い機材を買わないとできなかったことが、この仮想化のおかげで個人でもプロレベルのことができるようになってきました。
日本では”DTM”と言われている、個人の音楽作成環境を使って曲を作って楽しんでいる人が多いですが、このDAWの進歩や仮想化が進んだおかげで、個人でできることの幅も増えています。
YAMAHAのボーカロイドを使った、アマチュアの曲が流行ったりした現象の背景には、こういう仮想化によって、お手軽に音楽作成環境を手に入れることができるようになった...というのがあるのだと思います。
それでは :-)